男がつらい! - 資本主義社会の「弱者男性」論 -

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- amy@note_15812025年9月9日読み終わった感想ジェンダー弱者男性また杉田俊介氏の本を読んだ。『男がつらい!――資本主義社会の「弱者男性」論』は、いわゆる「弱者男性」がこの社会でどう生きていけばいいのかを構造的に、丁寧に紐解く一冊だ。 女性が「こうあるべき」というジェンダーロールから解放されることがエンパワメントにつながってきたように、フィクションでもその外れ方が勇気を与えてきた。 一方で杉田氏が指摘するように、男性の生き方のモデルは案外限られている。企業戦士、家父長的な父親、リベラルなイクメンや起業家――そうしたモデルに馴染めない人は、旧来の「男らしさ」が居心地悪くても、孤立感や構造的な条件からリベラルになれないことが多い。では、そういう男性はどう生きるべきか。 女性や性的マイノリティへの加害をせず、冴えない自分の人生をこの資本主義社会の中でどう手の中に収めていくかを、本書は静かに示してくれる。私は誰もが呼吸しやすい社会になってほしいと思っている。 自分を「弱者男性」と自認する人にも読んでほしいし、彼らと対立したくない。どうか自分自身や他者を傷つける言動はせず、まず自分の人生を否定や過剰に褒め称えるのではなく、静かに受け止められればいいと思う