ファースト・プライオリティー

ファースト・プライオリティー
ファースト・プライオリティー
山本文緒
KADOKAWA
2005年6月25日
1件の記録
  • haku
    haku
    @itllme
    2025年9月12日
    山本文緒さんの作品。 ずっと読みたくて、でも中々手に取らなくて。 読みたい本として温めていた作品ではない1冊を購入した。 本屋さんの山本文緒さんの列にある本を見ながらタイトルに惹かれて手に取った。 31歳の女性たちに取ってのファースト•プライオリティーが短編で幾つも散りばめられている。 わたしがわたしの中で持っている大切なものってなんだろうって思いながら、短編ごとのタイトルに予想外のものもあって驚かされた。 でも、その物語に出てくる主人公たちはどの人もリアルだった。 一生懸命で、美しくて、ときに醜くて。 主人公の大切なものへの想いがかっこよかった。だって、ファースト•プライオリティーだもんね。わざわざ、"ファースト"が付けられるのだもの。 短編全ての世界にまんまと引き摺り込まれた1冊だった。 読みやすくて、入りやすくて。山本さんの紡ぐ言葉や人間模様が好きだなと思った。 わたしのお気に入りの一編は、"冒険"。 最後の主人公のセリフがカッコよくって。 主人公の年齢は全員31歳だけど今のわたしもこんな風に自分の大切なものを想ったり、ときに憎く想ったり、片想いをしてるのかな と思った。まだ気づいていないだけで。 自分の少し先の未来が楽しみになって、また読み返したいと思った。 "片思いは苦くもどかしい。夫にも、好きな人にも、小説にも。そのもどかしさが自分を動かす宝物だったと私は混んだ東海道新幹線の中で知った。"p.317
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