どうで死ぬ身の一踊り (講談社文庫)

5件の記録
のぼりおり@noboriori2026年10月23日読み終わった癇癪と後悔を行ったり来たりするパターンの繰り返しで、その意味で読み手も「あぁ、またいつものが始まるぞ...」という気持ちになるのだが、そこに至る主人公の心理描写が巧みで、また文章も非常に上手いので、いつの間にか没頭して読んでしまう。感情移入はできない、というか感情移入なんて到底許されないほどに自我剥き出しではあるのだが、そこに他者を小説として読むことの麻薬的な快楽がある気がする。 収録されている三編はどれもよかったが、特に『一夜』の「男も女もこのあとの展開(=暴力)がわかっているのに今更引くに引けない」というあまりにも人間らしい描写が凄まじい。そして、ラストで(未来から見た)その後の顛末を提示することで一瞬だけ謎のペーソスが漂うのだが、結局は「自業自得だろ!」というツッコミをせざるをえないのである。






