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のぼりおり
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@noboriori
  • 2026年7月27日
    邪宗門 下
    邪宗門 下
    上巻の感想で「おそらく、集団としてハッピーエンドに向かっていくことはないだろうから、恋愛要素を絡めながら個人の物語に収斂させていくのだろうか。」と書いたが、そんな甘っちょろい小説ではなかった。新興宗教という集団を徹底的に煮詰めて煮詰めて煮詰め続け、後半は怒涛の展開だった。 終戦によって価値が転倒し、戦中は正義とされたことが戦後は不義となり、戦中は偉ぶっていた人らがこそこそ消えていく。とはいえ、支配する者と支配される者、権力の理不尽さは変わらない。価値転倒してもなお世間がそういう状況なのであれば、"世なおし"は最終手段ともいえるほどに過激化していかざるをえない。絶望的な貧困から這い出て「ひのもと救霊会」に拾われた千葉潔という人物が、結局はもう一度世間に絶望する物語だったのではないか。 「•••救霊会はたしかに<邪宗>だった。淫祠邪教の故に邪宗であるのではなく、窮極において、この世を信じえず享楽しえない人々の集団であるゆえに。」(下巻 543頁)
  • 2026年7月23日
    邪宗門 上
    邪宗門 上
    上下巻で、上巻は第二部の途中まで。 ある集団に焦点を当てつつ、群像劇として時代の動きや精神性を描いていくのは北杜夫の『楡家の人びと』に似ている。 苦しむ人々を救おうとする宗教が「ではその苦しみの原因は何か?」と突き詰めていくと、"世なおし"として天皇や政治家、警察といった権力との対峙に至らざるをえない。新興宗教を舞台とする小説ではあるのだが、その言葉でイメージされがちな内閉性ではなく、むしろ外部とどう向き合う(向き合わざるをえない)かが物語のベースにあるような気がする。 おそらく、集団としてハッピーエンドに向かっていくことはないだろうから、恋愛要素を絡めながら個人の物語に収斂させていくのだろうか。ラストに向かってどう落としどころを探っていくのか、初読の作家だけに下巻が楽しみ。
  • 2026年7月17日
    黒人理性批判 (講談社選書メチエ)
    黒人理性批判 (講談社選書メチエ)
    奴隷制やアフリカ植民地化の背景にある、西洋による「黒人」「人種」という名詞•概念を解体しながら、いまも目の前にある人種差別を考える糸口を示す。 後半は特に難解で理解が及ばなかった部分も少なくないが、解説でなんとか補足。フランツ・ファノンへの参照が多く、やはり一度は同氏の著作を読まなくてはならないとあらためて。
  • 2026年7月14日
    長い一日
    長い一日
  • 2026年7月12日
    屋上
    屋上
    「自殺なんかしない」と断言した人間も含めて、ビルの屋上から次々と人が飛び降り死亡するが、屋上には他殺の痕跡もない。はたして何が起こっているのか? という非常に興味そそられる設定で、「間違って女子トイレに入ってしまいガードマンに追い詰められた男」「仕事用のサンタクロース姿でビルのトイレ借りたら閉店時間過ぎてしまい外に出られなくなった男」「やや背は低いがトム・クルーズ似のイケメンと何故か結婚することになった大阪弁の女」など、はたしてどう交わるのかわからないエピソードを最終的に回収していくさまは楽しい。 が、謎解き自体にはかなり無理があるうえ、肝心な箇所の詳細な説明や図解がないためにアンフェアな印象は否めない。この著者ならではの突飛なアイデアをおおらかな気持ちで楽しむくらいがちょうどいいのでは。
  • 2026年7月8日
    言語が違えば、世界も違って見えるわけ (ハヤカワ文庫NF)
    ホメロスはなぜ海を「葡萄酒色」と表現したか?など、気になるトピックをとっかかりとしながら、言語学がどのように言語と思考の関係性を考え、実験してきたかを紹介していく1冊。 特に後半は、どういった実験が行なわれてどのような結果になり、そこから何が言える(あるいは言えない)のかという記述が続き、また「実は言語と思考の関係はこうなっていたんです!!」的な衝撃の事実が明らかになるわけではないので、そのあたりを期待すると退屈かも。 ただ、さまざまな研究者が言語をどう捉えてきたかなど、興味深い話が多く、ここを起点にまた別の言語学に関する本に手を伸ばしたくなった。
  • 2026年7月5日
    夏帆
    夏帆
    浦和やら武蔵境やら妙に生活感ある設定ながら、謎に満ちた出来事を絡めつつ、いま目の前にある世界の奥底へと誘う感じは村上春樹の面白さ。 ただ、登場人物があまり印象に残らないからか、ところどころにある「境界線が〜」などのくだりが露骨すぎてうざったく感じてしまった。ありくい夫婦の存在感はよかったが。
  • 2026年7月4日
    イスラーム精肉店
    イスラーム精肉店
  • 2026年7月2日
  • 2026年7月2日
  • 2026年7月2日
  • 2026年7月2日
    見知らぬ明日
    見知らぬ明日
    円盤に乗った宇宙人が地球を攻撃してくる、という大枠はよくあるファーストコンタクトものながら、国際政治劇としてフォーカスしながらテンポよくまとめた良作。「いまこそ国家の枠を超えた人類としての連帯が必要だ!」といった地球ナショナリズム的な安易な展開に落とし込むのでもなく、米ソ中を中心とした政治的な駆け引きが読み応えあり。 一方で、新聞記者(とその妻)を主要登場人物とすることで宇宙人に侵略される地球を虫の目からも描いており、このあたりのバランスが読み物として飽きさせない。個人的には小松左京作品でもかなり上位といえる一作だった。
  • 2026年6月29日
    スーラ
    スーラ
    著者が書きたかったことはわかるのだが、だとしてもスーラという人物が理解できなすぎた。ネルがスーラとの友情を再認識するというラストも本来感動的なのだろうが、まったく共感できないのでなんとも...。同性の友情を神格化し過ぎでは?と思ってしまった。文化的な背景まで読み込めてない読み手の浅さと言われればそれまでだが。 エヴァがヤク中になった息子を焼くところなど印象的、というかエヴァが強烈すぎる。
  • 2026年6月20日
    アウター・ダーク
    アウター・ダーク
    久々のマッカーシー。初期長編とのこと。 近親相姦で生まれて他人に拾われた我が子を探すために彷徨する妹と、その妹を探すために彷徨する兄。設定も展開も結末も救いがないのだが、登場人物の心理描写を排すことで、なんとか読める重さになっている。彷徨いながら他者に出会うが、そこに過度なドラマはなく、ひたすら彷徨い、ただただすれ違う。 特に後半はキリスト教に基づく寓意が多いようだが、このあたりは注釈や解説がしっかりしていてありがたい。
  • 2026年6月17日
    『瑠璃城』殺人事件 城シリーズ (講談社文庫)
    前半は設定が凝りすぎている感が否めずイマイチ入り込めなかったが、後半はその設定が効いてきて面白い展開に。6つの死体の運び方、なかったはずの短剣がなぜ突然現れたかなど、トリックも個人的には好み。 ただ、生まれ変わりが「アリ」な世界で、どこからが「ナシ」なのかが読みながら不明瞭(「え、さすがに魔法とか出てくるわけではないよな?」的な)で若干の消化不良。読み終わってみると、ミステリーとしてはフェアではあるのだが。
  • 2026年6月15日
    音を立ててゆで卵を割れなかった
    食べ物にまつわる過去を語るエッセイだが、その切り取り方や話のトーンはさまざま。文章に変な気負いがなくすんなり読め、面白い長編小説の冒頭のような興味をそそられる一編もある。 徳永英明だけを流す家系ラーメン屋が気になるところ。
  • 2026年6月12日
    彼岸過迄
    彼岸過迄
    登場人物が皆、どこか微妙にズレているというか、絶妙に変人な気がするのだが、人ってそんなものだよなという感じ。従姉妹との関係性に苦悩する須永の告白に共感できる部分もありつつ、「なんやこいつ気持ち悪いな...」という部分も大いにあり、時折ツッコミながら読了した。 柄谷行人の解説も「探偵」「猫」「フロイト」等、視点が面白い。
  • 2026年6月10日
    半分のぼった黄色い太陽
    半分のぼった黄色い太陽
  • 2026年6月5日
    ペトロフ事件 鬼貫警部事件簿
    初の鮎川哲也作品。地味目のアリバイトリックで、ジェットコースターのような展開や大どんでん返しがあるわけではないが、情景描写も人物描写も上手いのでひきこまれる。
  • 2026年6月4日
    須賀敦子の手紙 1975―1997年 友人への55通
    須賀敦子の手紙 1975―1997年 友人への55通
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