復活の日
7件の記録
ひなたの本好き@054-10ps2025年10月30日読み終わった@ 橘通り読むまでは細菌のパンデミックに対する人類側の抵抗の話かと思っていたが、決してそれだけではない話。 『日本沈没』を読んだ時も思ったが、地震による日本消失もパンデミックによる世界的混乱も、小松作品においてはあくまで主題を炙り出すための装置でしかないのだろう。 終局を描き出すからこそ、それによって失われてしまわれてしまうものの価値、美しさが鮮明に浮かび上がる。 この作品における主題は、「人類の理性の在り方」だったのではないだろうか。 第一部終盤のスミルノフ教授の演説にそれが詰め込まれている。 初版あとがきで小松左京は20世紀後半の理性に対し大きな希望を述べていた。 翻って21世紀の今、分断が進み情報に踊らされる私たちを見て、小松左京はどんな言葉を紡ぐだろうか。

ひなたの本好き@054-10ps2025年9月26日読んでる@ 恒久p.215まで。 コロナ禍の時から読もうと思っていたが、タイミングが合わずこの頃やっと読めている。 疫病で世界情勢がパニックに陥っていく様子は、なるほどまるでコロナを予言していたよう。 コロナ禍前にこの本を読んでた人は当時すごく怖かったのでは。 小松左京のシミュレーション能力たるや。 作中で語られる細菌兵器の恐ろしさに震える。核はもちろんだが、戦略的に細菌を用いるようなこともあってはならない。 つくづく、テクノロジーとは諸刃の剣だと思わされる。 しかし、今のところ作中ではアメリカとイギリスがやらかしまくってるなあ。 これから地球は冒頭のような死の世界になっていくんだろうなあ。


