中上健次論

中上健次論
中上健次論
渡邊英理
インスクリプト
2022年7月19日
3件の記録
  • 硬派な哲学の議論も出てきて、ああ、やはりこの本だ、と思う。
  • 著者による井土紀州監督の映画、『百年の絶唱』批評を読んだ。感銘を受け、この方の本の力が、自分に必要なのではないか、と思って買った。ちょうど髪切っていただいた後、用事も無かったので。著者は渡邊さんという方なのだが、本屋で浅田彰の『構造と力』のとなりにあった。帰り道で、肉体労働者の、腹の底からの怒号が響いた。
  • 《熊野が韓国の古い呼び方コマとつながるとは単に私一人の直感でなく多くの人が言っている事だがアメリカで詩人の奥さんから詩人と彼女の二人が詩の朗読をやったテープを聴かされ、 詩人が日本語で彼女が英語に翻訳したものを同時に朗読するのを聞いて、タマガワ、コマガワ、 タマガワと繰り返す詩人の日本語に重なる彼女の言うタマガワ、コマガワがコマと聴こえたりクマと聴こえたりする。タマ、コマ、クマとは詩人と彼女のパフォーマンスが私の耳に引き起こした鳴り響く音楽のような物語だが、私が旅行鞄に韓国古代史上下本を持って版元に 誘われて韓国行きの飛行機に乗ったのは、タマ、コマ、クマと三つの単語が並んだだけで組み上った音楽のような物語に一歩でも近づこうとしての事だった。》 『熊野集』について…。 「無限のエコー」…。詩人と詩人の奥さん(吉増剛造とマリリア)、「老詩人」という詩、《タマガワ、コマガワがコマと聴こえたりクマと聴こえたりする》。 《多摩川/高麗川の/川のむこうに/不思議な/病院がたっていて/川を渡ると/消える/多摩川/高麗川の/川に棲む/植物たちの声がして/ときおり/病人の/叫び声がきこえてく る/多摩川/高麗川は/夜になると/繊毛が生え/黒髪でぎっしりいっぱいになる/夢をみるのは/そのせいらしい/ああ/この/地上に/ゆるやかな/美しい曲線の切りこんでくる のがみえるとき/外科医は/宇宙を手術して窓をあける/おそらく/瞳の/黒い/微粒子の /夢をみるから/渚に/右翼の傷ついた白鳥の一羽舞いあがったりするのだ/[・・・」 多摩川/高麗川の/ああ、白きものはすべて朝鮮からながれてきた/》
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