臨床の砦 (小学館文庫)

5件の記録
- たつ@tatsu222026年1月4日読み終わった昨年「スピノザの診察室」、「エピクロスの処方箋」から夏川草介さんの著作を読み始めた。 本作は、2021年1月のコロナ第三波に立ち向かった病院と医療従事者の話である。 コロナ禍にあった、感染者やクラスターに対しての非難、誹謗中傷、感染者をまるで犯罪者の一族であるかの如く扱う論調、空気感。 真偽不明の情報があっという間に拡がるこの時代、未知のものへの恐怖や不安はあっという間に膨らみ拡がり、不信感が蔓延するのはウイルスの感染よりも速いのかもしれない。 "「大切なことは、我々が同じような負の感情にのまれないことでしょう。怒りに怒りで応じないこと。不安に不安で応えないこと。難しいかもしれませんが、できないことではありません」" (本文より) コロナ禍は既に落ち着き、徐々に過去のものになりつつあるように感じる今日この頃。 国際情勢が不安定な中、戦争への不安や、膨れ上がった社会保障や破綻が見え透いた年金問題、政治への不信感。 声の大きい意見がSNSで目立ち、一見誰もが主張をぶつけ合っているように見えてしまうが、実際は多くが平和と繁栄を祈る静観であろう。 向こう岸から石を投げつけたり、分断を煽るのではなく、余裕がない時こそ、ほんの少しでも深呼吸して、負の感情の伝播を食い止めたい。 善き人でありたい。




