フラッタ・リンツ・ライフ (中公文庫 も 25-5)

2件の記録
楡@etemotust2026年6月15日読み終わった再読語り手がクサナギから変わったけれど、相変わらず感情の機微に鈍感?というか回路が独特?な語り手なので、淡々とした不思議な読み応え。 後に愛情を実感するシーンが出てくるので、物語の芯ではないと思いつつ、下記部分の描写は印象的だった。 p.187 なにか、無理に愛情愛情って…、それがとんでもなく貴重で美しいものだって、それよりも大事なものはこの世にないって、最終的にはすべてそれが人を散うのだって、そう思い込もうとしているみたいだ。愛情という名の神様を信仰している宗教なのだ、と僕には思える。それを信じる者には、確かに存在するのだろうけれど、一度疑ってしまえば、もうどこにも実体のない、それどころか、現象としてもありえない、虚構だと気づく。 愛情がないことが、寂しいことで、それはとても辛いことだと教えられたけれど、何故そんなに愛されない状況を恐れるのだろうか。愛に満たされたことがない人でも、それを恐れている。
