点滴ポール 生き抜くという旗印

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花木コヘレト@qohelet2025年10月19日読み終わった図書館本障害者大きな世界で生きているなあ、と岩崎航さんの感受性に胸を打たれました。一人の人間の大きさというのは、無限なんだなあ、と思ったのです。 私は筋ジストロフィーという病気をほとんど知らないのですが、岩崎さんが一個の、自立した大人であることは、本書を通じてわかりました。 私が良いなと思った五行詩を、いくつか紹介したいと思います。 何処でもない 此処に 咲いている 花を 摘みにいく 校庭の 桜吹雪が 痛かった ただ黙って 空を見ていた 空白と思われた 時も 意味がある 僕の 構図 上の三つの詩は、いずれも岩崎さんの言葉で書かれていると、私は感じます。言葉が遠くなくて、岩崎さんの手で掴まれた言葉のように感じるのです。出発点があくまでも岩崎さんの心にあって、でも決して卑近ではありません。 人間の心は遠くを求めるものだと思います。でも著者は自己の手の届く範囲を生きているようです。空想を自己に許さない、とも言えると思います。私も彼のように、あくまで自分の目や耳で、毎日に接して行きたいと思いました。 本書は、若松英輔さんの書籍で知りました。若松さんは、本当の目利きだなあと思います。

