もう終わりにしよう。 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

3件の記録
- doji@doji_asgp2025年9月23日読み終わった想像以上にチャーリー・カウフマンは原作に忠実に映画化したんだなということがわかった。実家の食卓の気まずさや奇妙さは小説と映画の体験の違いがとてもうまくあらわれていて、それぞれ味わうことの楽しさがあると思う。 そしてラストにかけての怒涛の展開と謎の残し方も、小説の叙述と映画の嘘、それぞれの持ち味が活かされている。はっきり考察しようとは思わないけれど、自他の境界のあいまいさ、結局のところだれの視点によるだれの話だったのか、そういったことに思いを巡らせる中で、静かに広がっていく孤独感のようなものを噛み締める作品だと思う。