謎屋珈琲店 21番目の挑戦
4件の記録
ふーる@fool62025年12月1日読み終わった金沢のコンセプトカフェ「謎屋珈琲店」、人間関係やトラブルに悩みつつ今日も珈琲店は人を迎える。実在店を舞台にした連作短編。謎解き系と思ってたらちゃんとミステリでした。経営小ネタも色々ですね
みなさく@minahiton2025年10月30日買った読み終わった2025年ミステリ実在するリアル店舗を舞台にした、ヒューマンミステリ。 行ったことある人もない人も、金沢本店に聖地巡礼したくなる作品。 元々、謎屋珈琲店さんが金沢本店しか無かった頃から謎屋さんの大ファンです。 今は東京と金沢に2店舗あり、3店舗とも何度も通っています。 毎月配信される謎解きも、お店で解くリドルも、脱出ゲームも、全部素晴らしい謎ばかり! そんな大好きなお店が舞台になった小説が出る!! しかも、作者はオーナー!!買うしかない!! と、元々「謎」への信頼が高い状態で読んだのですが、それ以外の部分も凄く良かった。 実店舗モデルなので、行ったことある身としては、ああ、それ〜っ!って嬉しくなる描写が沢山。 自分も体験した事があるやり取りや見たものが書かれていて楽しい。 さらに、そんな所まで書き込んで大丈夫なのか…?と心配になるくらいお店の舞台裏が描かれていて、これ、どこまでリアルなんだろ…ってなるくらい舞台設定の描写が細やか。 でも舞台設定の羅列にならず、ビジネス蘊蓄を織り交ぜながら、読んでて為になる話の中で舞台の裏事情が明かされるので退屈しない。 何より人間描写が濃密で解像度が高い。 だからこそ、読者もモヤモヤしてしまうのがリアル。 世の中には、自分と倫理観が違う人物も当然いる訳で、いろんな考え方や正義があるし、その物差しを作ってきたその人なりの背景がそれぞれにある。 だから、作中人物が許しても、私はまだモヤるなぁ…も起こりえるし、作中でも全てが丸く収まり大団円みたいなシンプルに気持ちの良い人間関係は描かれない。 人間の悪い面と良い面、それを見る人の視点による歪み、環境やタイミングのままならなさ、そういうものが生々しく、登場人物がキャラクターではなく、個々の人生を生きる人間だなと感じる。 ラストも、事件は一件落着しても、傷痕の残るもので、本を閉じた時に帯を見て、「ああ…」となる。 日常の謎のちょっといい話系ヒューマンミステリを予想させる、シックで美しい表紙に付けられた黒い帯に書かれた毒のある一文が、そういうことか…と納得。 それと、人間描写の解像度として、困ったお客様やアルバイトさんの描写もリアル。 私も接客業長いので、めちゃくちゃわかりみあると思いながら読んだ。いるいる。あるある。 全体の感想としては、一話目、二話目に張られた伏線や築かれた人間関係が三話目に生きてくるという王道展開も好み。 主人公・響介と探偵役の友人・樫原の関係性も良く、互いに必要なものを与えあっているのが尊い。 続編があるなら、彼らの過去やこれからの成長や変化を見てみたいと思う。 というか、東京文京店編、杜の里店編ありますよね? あと個人的には、実は本店には6回しか行った事がないので、次行った時はオーナー自ら淹れた珈琲をぜひ味わってみたいと思いました!だって、あんな風に書いてあると、ね? 今度、本店に聖地巡礼した時、樫原さんのソファ席、空いてるといいなぁ。