のぞみ堂 "赤い月の香り" 2026年3月4日

赤い月の香り
小川朔は迎え入れた人の正しさをひらく。 ひらいてみたいと思った人を迎え入れている。 前作「透明な夜の香り」で一香が朔のもとに戻らなかった答えが明確に書かれている。私が感じた通りだった。 そして朔自身の'執着'の一つも垣間見え、ものすごく合点がいった。彼は'喪失'に恐れを持っている気がする。 続きがあるならば、朔の過去を描いてほしいけれど、続々とシリーズ化される作品にはしてほしくない。 今作では茉莉花の存在がとても大きかった。彼女がいたからこそ'赤'のイメージが強く印象づいたような。 そして、個人的には柘榴が出てくるタイミングがどんぴしゃでぞくっとした。ここのシーンがとても好きです。 読み進めながら、このまま読者だけのものであってほしい。誰の解説も作者あとがきすらいらないと感じたので単行本で正解でした。 大好きな作品となりました。
赤い月の香り
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