
torajiro
@torajiro
2026年3月2日
青天
若林正恭
読み終わった
若林さんの初小説。noteでの連載時から刊行を待ち望んでいました。改めて素晴らしい作品でした。
まずスポーツに取り組む高校生の青春小説として熱い物語になっていて最高なんですが、単に青春小説なのではなく大人の若林正恭が書いた大人が青春の熱さを思い出す小説という感じがしました。
アメフトにまつわる話ということで、ファンならピンとくるような著者本人がこれまでに語ってきたようなエピソードもいくつも埋め込まれているのだけど、それが私小説的にではない形なのが良い。特に倫理教師との対話を深めていくところなど、社会に出て20年以上の間に若林さんが色々と感じたり学んできたことも反映されて高校生を生き直しているような雰囲気を感じた。でもその生き直しは強くてニューゲームのように無双をしたり、まったく違う完璧な人生を送るということではなく、自分が自分として生きるとはどういうことなのか、実存をぶち当たって激しく問う素晴らしい小説でした。