胡乱 "華氏451度〔新訳版〕" 2026年3月3日

胡乱
胡乱
@Oolong_tea9
2026年3月3日
華氏451度〔新訳版〕
華氏451度〔新訳版〕
レイ・ブラッドベリ,
伊藤典夫,
小野田和子
再読。 (といいつつ、内容はあまり覚えていなかった) うーん読みにくい! だけどその読みにくさを掻い潜りながら世界観を追っていくと、現代社会に通じるものがありすぎて驚く。ほんとに1953年の本!? 耳に"巻貝"を入れてベッドに横たわっているミルドレッドはごろごろしながらイヤホンでPodcastを聴いている時の私だし、"ラウンジ壁"に夢中になっている女たちは、YouTubeをダラダラ見続けて時間を溶かしてる時の私じゃん!と思った。 爆撃されて街が滅びるその瞬間まで、みんなシビアなことからは目を背けて、インスタントにドーパミンが出るような娯楽にどっぷり浸かっている様子が恐ろしかった。 そして、本が焼かれるようになったのは、行きすぎた「配慮」や「自粛」の結果だということ。これも、なんやかんやと問題視されて炎上に繋がる、現代社会の行く末を暗示しているようで怖い。 ベイティー隊長の立場が哀しい。 本来は、誰よりも本の力を信じていたであろう人なのに。 救いがないまま終わるかと思いきや、モンターグが街の外で出会った集団に希望が見えたのが幸いだった。 本自体は焼かれて消えてしまっても、その中身は、読んだ人の血肉となり残る。 「見たものがおれのなかにはいるときには、そいつはまるでおれじゃないが、しばらくたって、はいったものがおれのなかでひとつにまとまると、それはおれになる。」という一文がとても好き。
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