
乖離
@karu
2026年3月4日
この世にたやすい仕事はない
津村記久子
読み終わった
長く務めた仕事をやめ、仕事を転々とする女性が主人公の連作短編集。少し風変わりな仕事に潜む謎に迫る〈日常の謎〉系ミステリともいえるかも。
仕事や人にまつわる少し苦い思いは描かれるが、読んでいて辛いという程ではなく、むしろ奇妙さやおかしみが心地よい。
以下ネタバレ。
最終話で主人公の前職が福エッセンシャルワーカーであったことが明らかになる。逃げ出してしまった同じ職種の男性との出会いをへて、主人公はしばしの休息の果てに、福祉の仕事に戻るというところで物語は終わる。
福祉の仕事の必要性と過酷さ、それにもかかわらずの待遇の厳しさには頭が下がる。
ゆるくよめるお仕事小説かと思いきや、働くことのやりがいや苦しさについて考えさせられた。
でも読後感は良かった。生きるためには働かなければならないし、仕事は大変だけどすべきことがあるというのは救いでもあると思った。



