

乖離
@karu
ぬーん
- 2026年5月28日
ゲーテはすべてを言った鈴木結生読み終わったすんごい面白かった。 ゲーテ学者の主人公は一家団欒の席で、ティーバッグのタグに見知らぬゲーテの名言を見つける。 この言葉の出どころを探しながら自身の研究人生を振り返っていく。 感想うまくまとまらないや。言葉は代用品にすぎないけれど替えの利かない代用品だ、というようなことを思った。 題材はド文学だけど読み口はエンタメ的でもありスルスル読めた。 - 2026年5月24日
- 2026年5月24日
思いがけず利他中島岳志読み終わった私周辺での話題書でキーブックだと思いながらもまだ読んでいなかった。ようやく読みました。 p.174 利他は自己を超えた力の働きによって動き出す。利他はオートマティカルなもの。利他はやって来るもの。利他は受け手によって起動する。そして、利他の根底には偶然性の問題がある――。 私の生活、労働の意義に思い悩んでいるという立ちあがってくる「何のために?」という問いのヒントが得られるといいなと思い手に取った。 p.55 自分はどうしようもない人間である。そう認識した人間にこそ、合理性を度外視した「一 方的な贈与」や「利他心」が宿る。この逆説こそが、談志の追究した「業の肯定」ではないでしょうか。つまり、談志がつかもうとしたのは、人間の力を超えた「浄土の慈悲」であり、「仏の業」だったのではないでしょうか。 今まであまり関心が無かったのですが仏教思想をいろいろ読んでみたくなった。 私は自己責任論を内面化しすぎているきらいがあるかもしれない。 - 2026年5月24日
クリティカル・ワード ゲームスタディーズムン・ゼヒ,マーティン・ロート,井上明人,井出草平,今井晋,倉根啓,吉田寛,小林信重,尾鼻崇,山口浩,岡本健,木村知宏,松永伸司,根岸貴哉,楊思予,武澤威,池山草馬,田中治久,福田一史,竹本竜都,藤本徹,藤田直哉,西條玲奈,谷川嘉浩,近藤銀河,髙松美紀,髙橋志行もう一度読みたい - 2026年5月24日
インディーゲーム中毒者の幸福な孤独ソーシキ博士読み終わった筆者が出会った個人的なゲームたち。 ゲーム制作者の経験を表現したもの、脈絡のない滑稽なもの、さまざまな海外インディーゲームを紹介したエッセイ集。 ゲームになることによって却ってリアリティを持ち、プレイしていると自分の人生を重ね合わせてしまう作品も多そうだ。 最近、ビジネスの文脈でインディーゲーム市場の伸びに注目するような記事や話題を目にするが、市場規模とかでは語れない個人的なゲームの集積がインディーゲームの世界の大半を占めるのだろう。 p.24 Yoke Mart が他者からの発注によって短いゲームを大量に作る姿は、『自分の好きなものを作れる”というインディーゲーム最大の特性を他人に売り渡していると言える。しかしその行為自体が、インディーゲームの世界が有名になりどんどん整備され、 長大な作品が増えていく現状に対する、軽やかでアナーキーな反抗になっているように私には見える。Blakeが作る短いゲームは意味や深刻さや、時にクオリティーまでをも手離し、まるで意図的な不具合のようになって「ゲーム」そのものに疑問を投げかける。 それにしても、ゲームという形式は、たとえ結末に関与しないクリックばかりの作品や不条理な展開の作品であっても、鑑賞者にプレイヤーという地位を与えるという点で、他のメディアよりも強い働きかけをすることがあるように見える。 本のページをめくることも一種のゲームだろうか? 前に買ったゲームスタディの本読み返したくなった。 あと実際にプレイしてみたい作品がいろいろあった。特に「The Bookshelf Limbo」が気になる。 - 2026年5月24日
エネルギーと公正イヴァン・イリイチ気になる - 2026年5月24日
移動と階級伊藤将人読み終わったp.38 移動とは、社会的で、政治的で、経済的なものなのである。 私は移動が好きだ。 非常に個人的な感覚として散歩でも電車や車でも家から出て移動すると、心理的に安定する(元気だから外に出られるのかもしれないけれど)。 そして、中長期的にも進学や就職を機に地方から都市へ都市へと移動してきた。 私にとって移動は、選択肢を広げるどちらかと言うとポジティブなものだった。 しかし、本書で紹介される調査結果をみると、移動は「社会的で、政治的で、経済的なもの」であり、収入・ジェンダー・人種等々ありとあらゆる格差と結びついているということがわかる。 移動と成功を結びつける言説も世にはあるが、富めるが故に移動する人もいれば貧しいが故に移動せざるを得ない人もいる。移動という切り口から見ても、社会の複雑さはそう簡単には単純化出来ない。 p.122 移動をめぐる機会と可能性は、ジェンダーや階級社会階層、国籍、エスニシティ、生まれ育った地域といったものに強く規定され、影響を受ける。移動による成功も失敗も、決して『自己責任』ではないのだ。 もっと言えば、移動力を発揮して成功するという思想は、好きなときに好きな場所に移動できる、極めて限られた特権的な人間を中心とした思想なのである。 個人の自由や権利から、地球規模の環境問題まで、移動という視点から見えるものは幅広く、移動にまつわる不平等、問題は大きいということが、分かりやすくまとめられた良い本でした。 - 2026年5月22日
- 2026年5月22日
- 2026年5月22日
- 2026年5月15日
キッチン常夜灯 (角川文庫)長月天音読み終わった美味しくて温かくて誠実なお話だった。 ファミレスチェーンの店長を女性活躍の一環で若くして任された主人公の仕事へのスタンスの変化も良かった。 責任に潰されそうになりながら着せられた「店長」の鎧、常夜灯に通ううち自分の仕事の意味を見つめ直し励、やがて適度に鎧を脱ぎながら前向きに仕事に取り組めるようになるまで。 シェフが作る常夜灯の料理がどれも美味しそうでお腹空いちゃう。 - 2026年5月14日
生きのびるための事務坂口恭平,道草晴子気になる - 2026年5月8日
ホームページ仲西森奈気になる - 2026年5月4日
読み終わった私が映画「戦場のメリー・クリスマス」を観たのは、すでに往年の名作として散々評価され尽くした後だった。 公開前の出演者や制作陣、関係者らの声は、撮影時の興奮や交流を鮮やかに伝えてくる。 印象的だったのはデビットボウイと蛾のエピソード。 p.35/吉見佑子文 この時、ちょっとしたエピソードがあった。 ライトにひかれて大きな蛾が飛んでてきたのだ、スタッフが 追っ払おうとしたが、蛾の方はすいすい抜けて、この場所から出ていこうとしない。たまりかねたスタッフが止まった蛾を殺そうとホウキのようなものを振り上げた時、ボウイはそれを止め、被っていた帽子を蛾にかぶせでにっこり。 余裕あるポーズだった。なんとなく、ほのぼのとした空気が流れた。 このリハーサルのあと、この蛾をどうしたのかは 見そこなったけれど、私はこれでやはりこの人はスターなのだと感じた。 デビット演じるセリアズが地中に埋められた際にその顔の上を蛾が飛び回るよう提案したのもデビットらしい。(p.52参照) 奇妙で美しいシーンだ。 先の引用時に捕らえた蛾なのだろうか。 スターの姿というのは多面的で捉えどころが無い。たくさんの人に見つめられ語られるほどに分裂していくような気がする。 スクリーンの上の役を演じる姿も、撮影所の南の島の姿も、語り手によって異なる像を結ぶ。 ましてや遅れてきた一観客に見えるのは蜃気楼のような「スター」像だけだ。 デビットボウイも坂本龍一も亡くなった今、映画という新しい表現を開拓しようとしていた若き日の彼らの姿をテキストで読めるのは不思議な感じだった。 - 2026年5月3日
童夢 (アクションコミックス)大友克洋読み終わった再読団地で起こる連続不審死。 昔読んだのが忘れられず、帰省したのでせっせと引っ張り出して読んだ。 画力もストーリーも圧倒的。 団地の暮らし、噂話、崩壊、不気味さ。 初めて読んだときは小学生とかだったので、あまり内容を理解せずに読んでいた気がするけど、童夢のタイトルの通り印象深い悪夢のようにずっと引っかかっていた。 - 2026年5月1日
- 2026年4月30日
夜は短し歩けよ乙女 愛蔵版森見登美彦ちょっと開いたうつくしかわいい最高の装丁。 箔押し、箱入り、小口印刷に鮮やかな見返し。 しっかりだるまグラスも買っていましたが、連休に入りようやく開封しました。 赤玉ポートワインで乾杯。愉快愉快。
- 2026年4月30日
カフネ阿部暁子読み終わった不妊治療がうまくいかず、離婚さらには愛する弟を突然喪い失意の底にいた薫子。無愛想な弟の恋人せつなの料理を機に生活を立て直した薫子は、家事代行サービス「カフネ」のボランティアに携わるようになる。「カフネ」を通して薫子は、自身の傷、いつも柔らかい笑顔を見せるばかりだった弟の姿、そしてせつなと向き合っていく。 p.67 「あなた・・・・・・魔法使いみたいね」 「かわいいこと言うんですね」 最初は反目しあっていた薫子とせつなが、次第に打ち解けていき、名前のつけがたい関係を紡いでいくさまが愛おしい。 p.111 「未来は暗いかもしれないけど、卵と牛乳と砂糖は、よっぽどのことがない限り世界から消えることはない。あなたは、あなたとお母さんのプリンを、自分の力でいつだって作れる」 そしてご飯がとても美味しそう。 自分の手で自分や誰かのために食事をつくれる力、今日眠る場所を居心地のよいものであることが、どれほどにかけがえのないものかと思う。 p.138 生まれてくることがいいことなのか私にはわからないし、子供本人に自分が育つ環境も選ばせずに、こんなにどんどん壊れていくような世界に何十年っていう人生を背負わせて生まれさせる。それは、すごく理不尽なことだと私は思います」 (中略) 「でも、薫子さんを見ていると思います。この人は、生きていくことには価値があると信じているんだなって。もしも子供を持ったら。その子を幸せにするために全力で闘うんだろうし、そんな人のところに生まれる子はもしかしたら、『生まれてきてよかった』と思うのかもしれない」 一応自立した生活ができるようになって、子どもを持つということが、少しずつ選択肢として現実味を帯びてきた。 定まらない未来への漠然とした不安や欲望。まだ充分に考えられていない中で、身につまされるような、少し希望を持ってしまうような。あんまりまとまってないですが今読んでよかったと思った。 と同時に、少し冷めた目で、亡くなった人の意思が朧げにも見えてきたり、離れていった人と誠実に対話出来たりするのは、これはフィクションだからで、現実には、亡くなった人の心を知ることは出来ないし、目の前にいる人の真意すら聞けないことも多いと思う。 それでも、できる限り口を開き、手を差し伸べたいと思ってしまうのが、人の性であればいいな、そうありたいなと思う小説だった。 最後に祈りのような一節を引用。 p.227 誰かが泣いている時、「助けたい」と願う気持ちは、誰もが持っていると私は思うのよ。そう信じてる。 (余談:たまたま同日読み終わった『火星の人』も、地球の何十億の人びとの「助けたい」という気持ちが火星に一人取り残された男を救った話だと言える。災禍の多い世界ですが、こうした善性が力を持つ世界を次の世代に残したいとか分不相応に壮大なことを思いました) - 2026年4月30日
火星の人〔新版〕 下アンディ・ウィアー,小野田和子読み終わった映画化されたときに「火星で鉄腕ダッシュ」と話題になったのを目にしていました。帯には「科学を希望に変えるサバイバルSFの最高峰」と謳われています。まさしく! 嵐に見舞われ一人火星に取り残されることになった宇宙飛行士で植物学者でエンジニアの主人公。 彼は、火星でジャガイモを育てたり、テント付きキャンピングカーを工作してドライブしたり、生き抜くために驚くべき創造力を働かせ…… ドリルの置き場所を間違えるといったうっかりミスで電子機器を焼き尽くす窮地に陥り…… しかし、けっしてユーモアを忘れない(信頼する船長の音楽の趣味にケチをつけることや、 全世界に公開されるNASAへの通信でギャグを飛ばすことをけっして忘れない)魅力的なキャラクターです。 主人公と分かたれたクルーたち、NASAや地球の科学者たちの協力もドラマティック。 正直に言うと、私は算数が苦手なので数字が出てくる部分はおおよそ「なんか賢い計算」と読み替える駄目SF読者ですが、アンディー・ウィアーの描く主人公はそうした読者にも大変親切。 例えば、主人公が消費電力量を節約、計算しなければならなくなった際に"キロワット時・毎ソル"を表す新しい単位を"パイレーツ・ニンジャ"にしたのは最高でした! おかげで私の理解の及ぶ範囲でも「熟考、ひらめき、なんか賢い計算、悪態、三・六パイレーツ・ニンジャ節約!」と、大変楽しく読めるわけです。 このように、とてもエンタメ的でありながら、訪れる危機的状況が隕石衝突のような天文学的確率のヤラセ感がないことも説得力を増して素敵!(これは文庫解説でSF評論家の中村融氏が分かりやすく触れています。文庫版を手に取った方はぜひそちらを読んでください) アンディー・ウィアーのおかげで、子どものころに宇宙図鑑とか子ども向けの科学雑誌を読んでいたころの気持ちを思い出し、近頃個人的にSFブームが再燃しています。 わくわく!!! - 2026年4月29日
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