K.K.
@honnranu
2025年3月14日

書楼弔堂 待宵
京極夏彦
読み終わった
京極夏彦
書楼弔堂シリーズ、三冊目。実在した、名の聞こえる人物が本を求めて訪れる書楼弔堂。前作前々作とは趣向が異なり、全体として変化球になっている。まず弔堂が出るシーンが少ない。既作はほぼ全てのシーンが弔堂の中って印象だったけれど、今作はほぼ全てのシーンが屋外(など)。書楼弔堂は最後にちょろっと出て〆るくらい。既作は、歴史に名を残す人々が、書楼弔堂で本を手に入れそれを読む事で、その後の軌道を定めるような感じだったかと思うけれど、今作では実在人物パートはほぼ全員心を決めている。特に何も迷ってない。では何の話をするかと言うと、語り部である老人弥蔵さんである。全体を通して弥蔵さんのフラストレーションに付き合わされる。まあ読んでて面白いので良いけれど。「史乗」の百鬼夜行シリーズ謎解きシークエンスっぽさは異常。あまり「THE 京極夏彦」って作品ではなかったかも。最近の京極さんは新撰組とかがマイブームなんですかね。利吉くんが毎回書楼弔堂に着く頃には省かれてるのがウケる。愛嬌のあって話してて楽しいキャラだった。
この作品、破暁とか炎中とか待宵とか、何? と思っていたのですが、一冊六本の短編集で、一本一時間1/4日なのですね。短編集というには一本が結構長いけど。待宵が良かったのでこのまま霜夜も続けて読む。