
のぐち
@knoguchi
2026年3月6日
大工日記
中村季節
読み終わった
「そしてわたしは、あのうつくしいあとがきをすべてなしにした。それはうそだった。いや、うそは言い過ぎかもしれない。対象から適切な距離をたもちながら安全かつ適温の環境にいれば、すべてはうつくしいのかもしれなかった。そんなうつくしさはいらんと思った。」
「ものをつくれ、そのために、私たちはいままでものをつくってきたのだから。そうやって、孤独が私たちを生かしてくれてきたんだろ。いまさらなに言ってんだ。手近なもので紛らわせようとするな。あなたが孤独なのは誰かのせいじゃない。自分の孤独を無視しているからだ。わたしたちはそれぞれの孤独をあたためて、手を動かして、どこか遠くのだれかの孤独に触れようとする、それがなにかをつくるってことじゃないのか。どこかに、きっとみんなの孤独をもちよれるひっそりしたちいさな場所があって、そこでのみわたしたちははじめて心を通じ合わせることができる。わたしたちはそうやって孤独をもちよることでしか生きていくことができない。そう思ったから、そうだから、ものをつくってるんだろ、違うか。生半可な孤独を私のとこに持ってくんな。」