本屋lighthouse "被害者性の政治学" 2026年3月7日

被害者性の政治学
被害者性の政治学
リリー・チョウリアラキー,
川副智子
第一章を読み終える。相変わらず私の持っている前提知識では理解が難しいところばかりだが、おそらくこうまとめてよい気がする。被害を受けたというなんらかの表明がなされることではじめて「その被害者は救済されるべきだ」ということになる、そしてその表明ができること自体もまた特権性と結びついていて、沈黙せざるを得ない者の被害は誰にも認識されないままである一方、もともとなんらかの特権性を強く持っている者ほどこの表明は広く聞かれ、かつより説得力のあるものとして受けとめられていく。そしてこの構造は、感情的な共感が喚起されるほど拡散力を増していくSNSの設計と相性がよく、かつては#metoo運動のように正しく被害者の声を届けることになったが、いまやその仕組みは特権性をより強く持っている者らによって乗っ取られてしまっている。つまり#metooを訴える者ではなく、それによって訴えられた者の「被害者性」のほうが広く届き、強く印象づけられることになっている。 私自身の結論:やはりSNSでの社会運動はメリットよりもデメリットが大きくなってしまった。
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