
画伯
@ggahak
2025年3月14日

地上で僕らはつかの間きらめく
オーシャン・ヴオン,
木原善彦
まだ読んでる
このパラグラフだけでこの本を手に取ってよかったとしばらく反芻して何度も読んだ。"母語"がぜんぜん母親ではない、むしら孤児。そういう人が世界中にどれほどいるだろう。そういう人がたくさんいるということは知ってるのに、それがどういうことなのかをほんとうに知ることはないのだろう
「母さんは子供の頃、アメリカ軍のナパーム弾による空襲で学校が焼かれるのをバナナの森の中から目撃した。そして五歳のときから、二度と学校には行っていない。だから僕たちの母語は、実は全然“母親”ではないしむしろ、孤児だ。僕らのベトナム語はタイムカプセル。どこで教育が終わったか、灰になったかを記す標識だ。母さん、僕らが母語でしゃべるということは、ベトナム語をしゃべるというより、戦争を語るということなんだ。」 (p.42)


