
あやな
@ayn__124
2026年3月5日

熟柿 (角川書店単行本)
佐藤正午
読み終わった
「熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように、気長に時機が来るのを待つこと。」
この一文を、長く、ゆったりと時間をかけて説明するような一作だった。
けれど無駄なんて少しもなくて、というか、最後にこの文が来て、タイトルが熟柿で、それがこの作品全ての伏線回収になっているというか、無駄なんてないと肯定していた。さらに作品も通り越して、私たちの人生も肯定してくれた気分。
余白や時間を存分に使うこの雰囲気は、なんだか「日本っぽい」と形容したくなった。
どんなに忙しない日々であっても、この作品がいてくれれば、心を落ち着かせられる。お守りのような作品だ。

