
ぴよみ
@erim_0521
2026年3月7日

熟柿 (角川書店単行本)
佐藤正午
読み終わった
★★★★★
どんなに辛く悲しいことがあっても、いつもと変わらない日々は訪れるし、私たちはそれでも生きていかなければならない。
『もののけ姫』の誰かの台詞にもあった「生きていれば何とかなる」という言葉は、本当にその通りなのだと思う。どれだけ時間がかかっても、寄り道をしても、生きてさえいればいつか報われる。そんなことを改めて気づかせてくれる小説だった。
主人公に不幸が降りかかるたびに胸が痛くなったけれど、生き別れた息子のために懸命に、そして強く生きようとする姿に、思わずエールを送りたくなった。
今の時代、「タイパ」などと言われて生き急ぐことが多いけれど、別に時間がかかってもいいし、寄り道したっていい。生きているだけでいいんだと思わせてくれる。
とてもいい小説に出会えた。出会えてよかった。
