
乖離
@karu
2026年3月7日
空芯手帳
八木詠美
読み終わった
なぜ客に出すコーヒーを私が淹れることになっているのか。名もなき仕事を私が担うのが当然になっているのか。なぜよく知りもしない人間から不躾な言葉を吐かれなければならないのか。
こうした理不尽に対して静かに怒りを募らせた主人公は、妊娠を偽装し職場に告げた……?
妊娠、出産というのは、私にとっては全く現実味がない。それらを題材にした小説を読むと不安とも期待ともつかない感情になる。
「代わってあげたいってよく思う。でもね、代われないの。代われないどころかわかりもしないの。その人じゃないから」p.162
人と人との分かりあえなさとそのさみしさを、つねにうっすら感じている心細さを言い当てられたように感じた。
最後まで主人公の嘘の正体も分からなかった。

