
うゆ
@otameshi_830
2026年3月7日
ワーニャ伯父さん/三人姉妹
アントーン・パーヴロヴィチ・チェーホフ,
浦雅春
読み終わった
あまりにも救いのない話のようでいて眼前に海や星空が拓けるような美しい幕切れの『ワーニャ伯父さん』(ソーニャの台詞の力である)。
この世での絶望の末いつか辿り着く世界での救いという光を感じさせるのは『源氏物語』や『平家物語』にも通ずるものがあるように感じた。
人生で富や名声や恋愛の成就など手にしたところで、それはあくまで一生のうちのいっときの出来事で、死出の旅路にそれらを携えてゆくことは叶わない。人は何も持たずに生まれてきたのと同じように何も持たずに死んでゆく。
あるいは、もしも生まれた時にただひとつ持っているのが可能性という希望ならば、死ぬときにもその魂の灯火だけは消さずにいることはできるのかもしれない。
世界に目指すべき光を見つけられなかった人間でも、自らの足元を照らすその灯りだけは、自分の手で護って生きられるのかもしれない。
その灯りが照らすのが現世でなくいつかの世だとしても、その祈りは、その希望は、なにかの縁になるだろう。少しばかり狂信的に思えても。
私は死んだら無になるだけと思うし、生きることに本当は意味も希望もないと思っているけれど、それは決して 価値がない ということじゃない。生きることの価値は他者に預けないで。いつか来るそのときまで、日々を丹念に生きる、ただそれだけ。
しかしいくらなんでも『三人姉妹』は鬱々と救いがなさすぎではないか…だけど何故だろう。嫌いじゃないし、わかる…と思ってしまう。
チェーホフもっと読むつもりだけど少し明るいの挟もうかな!!




