
紫香楽
@sgrk
2026年3月7日
タタール人の砂漠
ブッツァーティ,
ディーノ・ブッツァーティ,
脇功
読み終わった
怖かった……
この本読んで怖くならない人は既に自分は人生でたくさんの成果を上げたと信じている人だけだと思う。
恐らく結婚や子供を作ることは、手っ取り早く確実に「自分は人生で何も得られなくはなかった」と捉えられる、思い込める要素であるのだろうなあと感じた。それも不幸なことだと思うけどね(絶対結婚や子育てしないほうがよかっただろう人、相性が良くないのに結婚している人たちが居すぎるため)
自分は結婚も子作りも現状する気はなく、したいことをして暮らしているのだが、ドローゴのように老人になってから結局なんの成果も得られておらず、成果を得る前に表舞台から退場することになる可能性もありはするわけで、やはり読んでいて恐ろしく思ってしまったし、砦を去るシーンはやるせなかった。
とは言え期待して待ち望むものをタタール人の襲来のような外部に頼むのではなく、己の中や自身の行動に頼む限りドローゴのような人生にはならないのだと思う。自分の人生は自分が納得できればよいので。
なので自分は自分のしたいことを淡々と行っていけばよいのだと思う。
それでも絶対「やり切った」と思えることはないと思うし、死に直面するときには未練が残るのだと思う。
そうすると、ドローゴが迫る死へただ恐れ逃げ惑うのではなく、そこを乗り越え己に迫るものを受け入れ微笑んだラストはすべての読者への救いになるのだろうと思った。
