
𝕥𝕦𝕞𝕦𝕘𝕦
@tumugu
2026年2月15日
花物語(上)
吉屋信子
読み終わった
生涯に渡って同性をパートナーとした吉屋信子による少女同士のあわい感情を主題とした短篇集。
非常にやわらかな筆致で少女たちの心の揺れ、感情の波を描いている。
大正時代当時の女学生の服装の描写もこまやかで、当時の少女たちにとってどのような組み合わせが人気で洒落ていたのかを知ることができるのはうれしい。
基本的には少女と少女の出会いからはじまり、瞬間のときめきや胸の弾むような喜びを結晶化して閉じこめている。
出会いのあまりにまぶしいきらめきが美しいほど、別れの描写がきわだってもの悲しく、切ない。
少女たちの邂逅から別離までのスパンが短いのは、やがて枯れてしまう花の名前を冠した短篇で構成されている故か。さみしい終わり方をするものが多く感じる。著者の長編小説も読んでみたい。


