"マザーアウトロウ" 2026年3月7日

紬
@tsumugu
2026年3月7日
マザーアウトロウ
自己実現、と一言でまとめるのはたやすいけれど、雲をつかむように抽象的で、言葉だけではイメージできない。 きっとそれは、舞い上がったり、間違ったり、後悔したり、傷ついたり、時に貶められたりしながら、血や涙を流すことなくしては、たどり着けないものなのだろう。しかも、自分自身日々変わりゆくから、永遠に完成形はない。 人生を生き延びながら、自分らしく生きることを諦めず、自分の思考や感覚を研ぎ澄ませ、等身大に一歩一歩すすんでいく主人公たちの、自己実現のプロセスに、元気と希望をもらった。 それと、この小説に限らないが、金原ひとみさんの小説に出てくる登場人物は、多様性を自然なひとつのありようとして当たり前に受け止めつつ、自らの個を生きていく。自分の偏狭な思い込みや偏見まみれなところを、鮮やかにあぶり出してくれるのも、痛気持ちいい。
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