ちゃそす
@1000book_zautusu
2025年9月16日
蟹工船・党生活者
小林多喜二
かつて読んだ
3冊目。
「彼奴等が無茶なことをすればする程、今のうちこそ内へ、内へとこもっているが、火薬よりも強い不平と不満が皆の心の中に、つまりにいいだけつまっているんだ──」
カムチャッカ沖。凍える海の中──船は揺蕩う。糞のような富と、怒りにわななく掃き溜めを乗せて。
虐げ、貶める行為が、バラバラだった労働者を一枚岩に押し固めた。従順だった彼らを暴徒に変えた。
自分さえ良ければそれでいい。資本主義の、この考えが人の心を貧しくする。自分だけが豊かでいられるなんてことは成り立たない。誰かが割を食うようでは、必ずそこから綻びが生じる。
現代ではどうだろうか。
国民は"健康で文化的な最低限度の生活"が保証されているからこそ、反感を持つものはいない。大人しく国の奴隷でいる。だが最近は、政治に資本主義的思想が浸透し、自分だけ良ければいいという考えで政が行われている。これで上手くいくはずもない。
社会の中で稼がせてもらっているのだから、少しお返しします、という姿勢でいることが必要だと考える。私たちは社会の中で、社会の世話になって生きているのだから。自分さえ良ければいい、というのは酷く身勝手で、冷血な、痩せた考えだ。
結局、どんなに富を得たって人は満たされやしないのだ。いくら稼ごうが餓鬼のように欲しい欲しいと延々苦しむことになる。そして遂には、これまで押さえつけていた連中から、より強い力で押し返されることになるのだ。
要するに、真に打ち倒すべきは、資本主義社会を支配する、欲望という獣なのだろう。