ちゃそす
@1000book_zautusu
2026年1月31日
星を継ぐもの【新版】
ジェイムズ・P・ホーガン,
池央耿
読み終わった
25冊目。
人類の関心が地上での繁栄・対立から宇宙へと移った時代。
月で、身元不明の遺体が発見される。恐るべきことに、その遺体は5万年前のものであった。
彼は一体、どこからきたのか。その謎に世界屈指の科学者たちが挑む。
本作はSFであると同時に、ミステリーとしての色合いを濃く感じた。ベースは科学だが、遺体の謎を解き明かすということに終始している。
科学にも宗教のように、ある種の主義思想の相違がある。全くの未知と遭遇した時、それは顕著になるようだ。本来仮説と実証の間を行き交うべき科学者も、時には仮説と理想の迷宮を彷徨ってしまうことがある。
専門家同士の対立や、全ての視点をつなぎ合わせようとする主人公の苦難を経て、一歩ずつ真実へと近づいていく。
舞台設定と謎が本作の主軸であり、個人的に登場人物は全て舞台装置のように感じられた。
主人公たちが謎を解こうとする原動力は主に好奇心や職務のようなもので、何か不可欠な動機あるわけではない。強いて言うならば、科学者としてのプライドを賭けて、といった感じだ。
物語、というよりはドキュメンタリーを読んでいるような感覚に近い。
物語としてのドラマ少ないので、あらすじの謎に関心が持てない人にとっては、あまり面白い作品とは思えないかもしれない。SFとしての設定や世界観が本作の魅力だろう。
