北本新聞縦覧所 "「恥」に操られる私たち" 2026年3月8日

「恥」に操られる私たち
「恥」に操られる私たち
キャシー・オニール,
西田美緒子
概ね面白く読めた。 「恥」を感じさせられ、「恥」から逃げ出したい解消したいという気持ちを起こさせる仕組みに社会的経済的行動を操られる。様々な事例をもとに、ごく私的である「恥」の感情が社会構造から読み解かれてゆく第5章まで知的興奮を感じながら読んだ。 人種差別主義者やインセルの「恥」の感情を軸に論が進む第6〜7章に違和感があった。 それまでは「恥」をかくことや、「恥」をかかされることを社会構造から解き明かされていたのだが、この2章は「恥」に操られ、差別主義に傾倒し、「恥」を再生産する愚か者たちを突き放した目線で見るような筆致に思えた。 そうした思想に傾倒する人の起点にも「恥」があることが示されている以上、それまでの章と同様に社会構造の方を冷徹に捉える内容で読みたかった。 (章のタイトルからも、別の視座から「恥」を捉える意図があったのも明確ではあるし、それを分かった上でも気になってしまった。また念のため、そうした思想への共感を示す意図はない) 8章以降で、社会運動で「恥」を逆手に取り、弱者の武器として使う事例など、その後も面白かっただけに、どうしても気になった。
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