「恥」に操られる私たち
72件の記録
- yh@yh_2026年8月8日読み終わった著者がデータサイエンティストだからなのか、「“恥”を利用したビジネス」の事例を数多く紹介し、現代社会に「シェイム・マシン」が蔓延していることを示す。そして、その対処法として「すべての人々が信頼と尊厳をもって受け入れられるように熱い議論を繰り広げること」を提案する。 しかし、私が知りたかったのは、恥を利用したビジネスの事例そのものよりも、そもそも「シェイム・マシン」がどのように作られ、人の行動を変えるのかというメカニズムだった。 誰が、どのような意図や条件のもとで恥を生み出し、それがどのように人を操る力を持つのか。そうした説明が乏しいため、現代のメディア論やSNS批判で見慣れた事例の列挙にとどまっている印象があり、冗長さを感じた。 また、著者が「恥」を広く捉えすぎているように感じる箇所もあった。 たとえば、マスクを着用しないことを恥ずべき行為だと思わせるのは、行動を促すための有効な手段だという議論。 これは、単に恥を利用した操作として扱ってよいのだろうか。公衆衛生上の問題について、他者への影響や社会的責任を問いかけることまで、恥を利用した操作と同じ枠組みで捉えてしまえば、正当な問題提起との区別が曖昧になる。 自身の肥満を改善するため、暑い屋外で自転車を漕ぐトレーニングを続けるのが辛くなり、胃を小さくする手術を受けようとしたものの、糖尿病ではないため保険適用をめぐる交渉に苦労した。 著者は、この保険会社とのやりとりを、フードスタンプや生活保護を申請する人々が直面する行政手続き上の障壁や恥辱になぞらえている。 しかし、この類比には違和感があった。 そもそも、糖尿病ではない著者が、糖尿病の治療にも用いられる手術を肥満の改善のために受けようとし、その費用について保険適用を求めた経験と、生活を維持するために公的支援を必要とする人々が、申請手続きの中で障壁や恥辱に直面する経験とは、同じ問題として括れるのだろうか。 私は、前者については、希望する治療に保険が適用されるかどうかをめぐる問題として捉えるべきだと考える。保険会社とのやりとりが煩雑だったとしても、それだけで生活保護などの申請者が直面する困難と同列に扱えるわけではない。 著者自身が経験した不便や不満を、社会的に弱い立場に置かれた人々が経験する制度的な障壁や恥辱と結びつけることには、慎重であるべきだろう。 自分が望む治療を受けるための交渉で生じた不満を、生活を維持するために公的支援を必要とする人々の経験と重ねることは、両者の置かれた状況の違いを見えにくくする。 恥が人を制御する仕組みを論じるのであれば、異なる立場の人々が直面する困難を、単に「恥」という共通項だけで結びつけるのではなく、それぞれの制度的・社会的背景を区別して論じる必要があるのではないか。
氷河座標@kyoshu_1632026年7月29日読み終わった「敵対者を公然と辱めたり排斥したりする風潮、複雑な政策問題を盲目的な道徳上の必然性で解消してしまう傾向」 日頃から「恥」を操って、会社は利益を得ている。 恥とは消費され、最悪の場合凶器にも武器にもなったりする。
🌙@nox_442026年6月22日読み終わった恥のビジネスというか、恥はかかせる側に利があるというのは考えたことがなかった。 一人で勝手に過去を振り返ったりくよくよして悶絶して恥ずかしくなっている状況は、ただ自滅しているだけで、誰の利益にもなってないのもあるけれど…(無意味と思い知る)。 逆に「生活保護を受けることに何を恥じる?」とか、「自分の容姿の価値は自分が決める」とか、周りの目を気にしなくなったらなったで装置の規範を外れる訳で興味深い。
北本新聞縦覧所@kitamoto_juran2026年3月8日読み終わった概ね面白く読めた。 「恥」を感じさせられ、「恥」から逃げ出したい解消したいという気持ちを起こさせる仕組みに社会的経済的行動を操られる。様々な事例をもとに、ごく私的である「恥」の感情が社会構造から読み解かれてゆく第5章まで知的興奮を感じながら読んだ。 人種差別主義者やインセルの「恥」の感情を軸に論が進む第6〜7章に違和感があった。 それまでは「恥」をかくことや、「恥」をかかされることを社会構造から解き明かされていたのだが、この2章は「恥」に操られ、差別主義に傾倒し、「恥」を再生産する愚か者たちを突き放した目線で見るような筆致に思えた。 そうした思想に傾倒する人の起点にも「恥」があることが示されている以上、それまでの章と同様に社会構造の方を冷徹に捉える内容で読みたかった。 (章のタイトルからも、別の視座から「恥」を捉える意図があったのも明確ではあるし、それを分かった上でも気になってしまった。また念のため、そうした思想への共感を示す意図はない) 8章以降で、社会運動で「恥」を逆手に取り、弱者の武器として使う事例など、その後も面白かっただけに、どうしても気になった。
茶売る@teteto2026年1月28日読み終わった「恥」という仕組みのなかで、私は加害者だし被害者だ。 ただし世界には「恥」を増幅させる仕組みや利用しようとする権力もあって、それを知ることで自分の中にこびりついた「恥」が少しずつ剥がれていくような感じがした。
nessie@nessieayako2025年12月31日読み始めた数学者の筆者による、「恥を利用した搾取」にまつわる社会論。肥満を揶揄されたときの強い衝撃を「二重顎を平手打ちにされたような衝撃」という言葉に落とし込んでいるところ(別の無難な言葉ではなくあえて「二重顎」を挿入してくるところ)、細部に宿る筆者の気概を感じてなんだかとてもぐっときた。 一文の情報量が多く、正直私にとってはするする読める筆致ではないのだが、挫折しないで読み進めたい。



nessie@nessieayako2025年12月21日買った昔、恥ずかしい気持ちにならないためにあることをやろうとしてる自分に気づいた。「思わされる」仕組みについて気になっていたので買ってみた。届くのがたのしみ



Tom@Tomomi_0011900年1月1日気になる読みたい概要だけで刺された。第三者の目など気にせずフラットでありたいのに虚栄と承認欲求に塗れてしまう葛藤。読み終わったあとに答えは出るか、それとも共感性羞恥で泣いてしまうか。 読みたい。




























































