こあら🐨
@wing2830
2026年3月31日
嵐をこえて会いに行く
彩瀬まる
読み終わった
コロナ禍の出会いと別れ。日常の一コマ。さりげない出来事が丁寧な描写で綴られていて、少しずつ大切に読みました。
晩年の青春、カップルの葛藤,小説家が自分を見つめ直す話、特に子育て中のおかーさんと議員さんはお友だちになりたいくらい共感。元気をもらいました。
この本に出会わせてくれたひとに感謝です…ご縁って大事。
以下、印象に残ったところ覚書。
二十四時間、三百六十五日、一切の支障なく働き続けられる人は運がいいのだ。そうではない多くの人をかき消さないためにも、不調を口に出す。不自由と付き合いながら生きていることに、引け目やうしろめたさを持ちたくない。有権者の代表である議員が滅私奉公を美徳としている限り、そうなれない人を軽んじる社会の「空気」は変わらない。
分かってほしい、分かってもらえない。親切にしたい、親切にできない。…とても近い距離にいるのに、まったく異なる予想外の憂鬱が、それぞれの頭の中に転がっていて、思いがけない方向にその人を振り回しているー
「あたしらも年をとる。たぶんこの先も喧嘩してるし、体力が落ちてどんどん余裕がなくなって、下の世代からみっともなく見えることもたくさんして、言っちゃうんだと思うんだ。でも、心の底ではいいものだけ渡したいって思ってるよ。本当だよ。…みっともない部分は、相手にしないでいいから」
↑これ、自分の親に言ってほしいわ…と思った。わたしが出会いたい言葉だった。
「ちょうどいい日陰を作る、木のような。物語の中に入って休憩し、気力が戻ったらまたそろりそろりと現実に付き合う。そういう、日常の休憩所になる本を作れたらいいって思います」
自分が傑作だと思うものを書き続けて,いつかうまく行かなくなる日が来たとしても、私は、それまでに私が作った林を良いものだ、この世に作れてよかったものだ、と思うことにしよう。いや、きっと思える。