
トロ
@tontrochan
2026年3月10日
楽園の楽園
伊坂幸太郎
読み終わった
@ カフェ
積読状態だった伊坂幸太郎先生の短編。100Pにも満たないのでサクッと読んでしまいました。
楽園とは、ディストピアか、ユートピアか。
ヒトが何かに理由を求めるのは、その背後に物語があるからで、今ここでこうしてこの本の感想を書いている私も、自然の知能に動かされているのかも。
自然の、ごくごくありふれた選択の連続と連鎖であってもそうなるように出来ている。ヒトだけが、ヒトが世界の中心にいると思い込んでいる───というのは、言い得て妙なのかもしれない、というのが今一番残っている感想です。皮肉ではなく事実そうなのだと思ったのがその証拠です。参考文献に出てきた井伏鱒二の【山椒魚】を、いつか読んでみたいですね。
先生の過去の著作、【クジラ頭の王様】にも挿絵がありましたが、この本に至っては、原初の美しさや風景、原初の楽園というのは、ヒトの想像の領域には到底収まらないような、未知で尊いものであるという暗喩だと捉えています。死ぬ前の光景はこれがいい、ではなく、これしかないのだ、と思うと悲嘆とも幸福とも言い難い気持ちです。
短編ならではの残酷さが良かったと思います。

