
空気
@lumemolle
2023年4月8日

断片的なものの社会学
岸政彦
徹底的に世俗的で、徹底的に孤独で、徹底的に厖大なこのすばらしい語りたちの美しさは、一つひとつの語りが無意味であることによって可能になっているのである。p39
「被害者」のようなものになっていく。〜「抵抗者」になっている。不謹慎な笑いは、人間の自由というもののひとつの象徴的なあらわれである。p101
そもそも幸せというものは、もっとありきたりな、つまらないものなのではないだろうか。p116
自分のなかには何が入っているのだろう、と思ってのぞきこんでみても、自分のなかには何も、たいしたものははいっていない。ただ、そこには、いままでの人生でかきあつめた断片的ながらくたが、それぞれつながりも必然性も、あるいは意味さえもなく、静かに転がっているだけだ。p193

