
猫
@mao1012
2025年3月5日

キッチン
吉本ばなな
かつて読んだ
亡くなった人は戻らないし、自分がいつそうなるかもわからない。
孤独は常に自分と共存している。
その孤独にそっと寄り添ってくれるような感覚がして、涙が出た。
孤独とは、己から切っても切り離せない存在であり、時には孤独だけが自分に寄り添って味方になってくれる時もある。同じ境遇のふたりの関係性を、少し羨ましく感じた。
「キッチン」と共に収録されていた「ムーンライト・シャドウ」もとても良かった。
恋人を亡くした主人公と、その亡くなった恋人の弟の話。
大好きな人や動物が亡くなるというのは、当たり前だがとても堪えがたい事。自分もつい最近それを経験して、どうしようも無い孤独感と苦しみに苛まれる事がある。
主人公が、最後に「幸せになりたい」と言葉にする。幸せになるために、自分を縛っていた枷をとっぱらって、前に進もうとする描写を読んで自分もこうなりたいと思ったし、私も幸せになれるように日々を過ごしていきたい。
とても良い作品だった。
私が日頃よく感じる孤独感や、つめたさとどことなく似ている気がして、また読み返そうと思う。
