キッチン

94件の記録
- 歩@takeastroll2025年8月23日読み終わった読んだ。もう何回か読みたい。 優しさは強さだと思うけれど、そうならざるを得なかったことは切なくもあり、読みながら、温かいような苦しいような気持ち。 並ぶ言葉のひとつひとつ、全部吸収したい。 愛とか絶望とか幸せとかを、こう表現するのかって思ったし、まだ処理しきれてないと思う。 だからもう何回か読みたい。 わたしの好きな人は幸せでいてほしいし、そのために動ける人になりたい。
- 夜空@karashi_wasabi2025年8月15日読み終わった再読5月末に父が急逝してからとても忙しい日々を過ごし、久方ぶりの読書。 今の自分にはこの本が必要だと手にしたのが吉本ばななさんの『キッチン』。 あとがきの「日々苦しく切ない思いをしていることでいつしか乾燥してしまって、外部からのうるおいを求めている、そんな心を持つ人に届けたい」「自殺しようとする人がたとえ数時間でも、ふみとどまってくれるかもしれない」という言葉通り、絶望の中に微かな光を与えてくれる一冊。 私はこの本のおかげで今、すこし気が楽になった気がする。
- ねこ@notoneko252025年7月22日買った。 「ストップ!」と私は言った。彼女はびくっとしてだまった。私は言った。 「お気持ちはわかりますけれどね、でも人はみんな、自分の気持ちの面倒は自分でみて生きているものです。……あなたの言ってることの中に、たったひとつ、私の気持ちだけが入ってなかった。私が、なにも考えていないことが、どうして初対面のあなたにわかるの?」 たとえば、今は昨日よりも少し楽に息ができる。また息もできない孤独な夜が来るに違いないことは確かに私をうんざりさせる。このくりかえしが人生だと思うとぞっとしてしまう。それでも、突然息が楽になる瞬間が確実にあるということのすごさが私をときめかせる。度々、ときめかせる。 幸せになりたい。長い間、川底をさらい続ける苦労よりも、手にしたひと握りの砂金に心うばわれる。そして、私の愛する人たちがすべて今より幸せになるといいと思う。
- kni@hcaebehtel2025年3月29日読み終わった言葉選びも、言葉運びも、何かを目の当たりにしたときの情景描写も心の動きも全部好きで、この人の目で世界をみてそのまま文章を書くことができたら、どれだけ人生が豊かになるのだろうなと憧憬と感服が織り混ざった気持ちになる。 「キッチン」で三者三様の連帯するやさしいひとたちを好きになって、人生にも光明がみえて、あたたかく、嬉しくなってほうと一息ついた後、続編だろうお話を続けて読んじゃおうとページめくってすぐさまこの気持ちから突き落とされて、嘘…!?の声が出た。でもそこからの話の運びも過ぎゆく景色も心もずっと丁寧だから、悲しみに寄り添い続けるのは辛いのに、もどかしいもやもやを抱えながらもぐいぐい読み続けてしまえるからすごい……もうもう一回読みたいし。 そしてやっぱり、みかげみたいなここぞというときの行動力が飛び抜けている女の子が大好きすぎる!ある岐路に立ったとき、ああやっぱりここで終わりなんだと立ち尽くして、しゃがみ込んで、そのまま、じゃなくて、やっぱり、と顔上げて立ち上がって力振り絞って諦めないで、定められた道コースアウトしてでも走り出せる女が好きだ〜! (てゆか『満月──キッチン2』、だいぶわたしのすきなゆめしょの読み口でクライマックスのあたり超笑顔になってしまった。祖かも。)
- もくず@mokuzuuu2025年3月9日読み終わったお勧めされた本。よしもとばななは敬遠していたけど、まあ読んでみるかと思った。 とてもよかった…と言う言い方は月並みだけれども、とても良かった。 このあと吉本ばななの著作が、AIでぱくられたと知って複雑な気分になってしまった
- 猫@mao10122025年3月5日かつて読んだ亡くなった人は戻らないし、自分がいつそうなるかもわからない。 孤独は常に自分と共存している。 その孤独にそっと寄り添ってくれるような感覚がして、涙が出た。 孤独とは、己から切っても切り離せない存在であり、時には孤独だけが自分に寄り添って味方になってくれる時もある。同じ境遇のふたりの関係性を、少し羨ましく感じた。 「キッチン」と共に収録されていた「ムーンライト・シャドウ」もとても良かった。 恋人を亡くした主人公と、その亡くなった恋人の弟の話。 大好きな人や動物が亡くなるというのは、当たり前だがとても堪えがたい事。自分もつい最近それを経験して、どうしようも無い孤独感と苦しみに苛まれる事がある。 主人公が、最後に「幸せになりたい」と言葉にする。幸せになるために、自分を縛っていた枷をとっぱらって、前に進もうとする描写を読んで自分もこうなりたいと思ったし、私も幸せになれるように日々を過ごしていきたい。 とても良い作品だった。 私が日頃よく感じる孤独感や、つめたさとどことなく似ている気がして、また読み返そうと思う。
- 藤間あわい@awai_moji2025年1月1日読み終わったかつて読んだTwitterのタイムラインに流れてきた一節に妙に心を掴まれて、たまたま立ち寄った本屋さんで購入した。 読み始めて驚いたのは、吉本先生の文体が驚くほどに私の体と心に馴染んだことだ。一つ一つの言葉や言葉の組み合わせ方が、美しくて素敵で体じゅうに染み入った。 そして何より惹かれたのは、文章が「死」に近いところにあるところだと思う。死の香りに満ちた、けれども読了後はどこか希望の欠片を感じる、吉本先生の文章の虜だった。 表題作の『キッチン』だけでなく、『ムーンライト・シャドウ』、そして文庫版のあとがきも含めて素晴らしい作品だったから、今迷える人に是非読んでほしいと思う。もしかしたら、今この文章を読んでくださっている貴方の、人生の灯火となるかもしれない。
- かにまる@kanimaruko2025年1月1日かつて読んだまた読みたい誰かや何かを失って孤独になっても生きていかねばならない。どうにかこうにか、自分なりの前の向き方、進み方を見つけて、失くしたものと少しずつ向き合っていく。生きていく中で避けることができない喪失感や孤独感に襲われた時にまた読み返すだろう。
- さくら@sakura2024年4月24日かつて読んだ棺桶に入れて自分の半径3m以内の描写、つまりキッチンとそこを土台にした生活の描写があまりに丁寧で、美しくて、冒頭20Pくらいで泣いてしまった。 世界が不安定になっていく中で、遠くの事象の痛みを無視できず、普通に生きてていいのかなんて思っていた頃だった。 私が大切にできていないものを、大切にしてくれてる人が、30年も前にいたなんて! 多分これからもずっと大好き。