
酸菜魚
@suancaiyu
2026年3月11日
実力も運のうち 能力主義は正義か?
マイケル・サンデル,
鬼澤忍
読み終わった
@ 自宅
政治系の本には慣れているとはいうものの、やはりパパッと読めるわけもなく、1週間以上かかったなぁ。
最近の個人的ブーム(?)である能力主義について知りたくて読んだ。
なぜ2016年のアメリカ大統領選挙でトランプが勝ったのかなど、実例をもとにしながら能力主義を批判していく内容。
他の方の投稿でも書いてあったけど、やはり結論が薄いとは思う。
自分の人生すべてに責任を持って生きるのが能力主義。
やればやっただけ成果を得られて、落ちぶれたら自分の責任。
つまり、出自に関わらず自らの努力で立身出世できるということである。社会的流動性の高い社会。
こういうと耳障りはよい。夢がある。アメリカンドリーム。
しかし、このような考え方がエスカレートしていき、自分の成果に対する報酬に、自らが値すべき価値のある存在であるという考えがエリートの間で当たり前のものとなる。そうではない人への見下しが始まる。
能力主義を推し進めてきたのは大学教育である。選ばれたものに高水準の教育を与えるのが当初のスタンスだったものが、徐々に学位の有無で人を差別するような社会を助長する存在になった。
さらに、実態として社会的流動性は低く、富裕層の子どもはいい大学に進学し、労働者層の子どもは学位を持たずに労働に出る。
この、どうにもならない人生と、エリートからの見下しに対する労働者層の憤懣が、トランプを勝たせる要因になったとサンデルは語っている。
能力主義によって社会的連帯が損なわれている。
よりよい社会を取り戻すためには、自分が能力を発揮できているのは、偶然にも都会に生まれ、人種・宗教などにより抑圧されず、いい大学に進学できる金銭的余裕のある家庭で育ち、たまたま自分の能力と社会が求める技能が合致していたという、自分の能力では左右できない「運」によるものである、と自覚することが必要である。
ほかにもいくつかサンデルは解決策を呈しているが、これなら誰にでも意識できるはず。
すぐには難しいが、心に留めておこう。

