橘海月 "鏡の国" 2026年3月13日

橘海月
橘海月
@amaretto319
2026年3月13日
鏡の国
鏡の国
岡崎琢磨
小説家の叔母が亡くなった。遺作を引き継いだ主人公は、刊行間近となったある日担当編集者から告げられる「この小説には削られた文がある」 確認のために小説を読む主人公は、作家室見響子が綴った40年前の物語の世界へと旅をする…。 現代と過去、入れ子の物語が鏡のように見事に反転する様が心地よい。現代と過去の小説が交互に展開すると聞き、目まぐるしく感じるかな?と身構えていたが、特に気にならず幕間のような感覚だった。 当初は削られた箇所への謎解きかな?と思ったが、無理に謎を解こうとせずとも、入れ子の小説は充分に楽しめるものだった。響や他の登場人物が醜形恐怖症や後天性の痣や相貌失認に苦しみルッキズムに振り回される姿がリアルで、その悩みも息苦しさも身に詰まされた。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved