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@miho-0525
2026年3月13日

ひとさらい (光文社古典新訳文庫 Aシ 2-2)
ジュール・シュペルヴィエル
読み終わった
不幸な境遇の子供達をさらって家族をつくる。
威厳ある父親となったビグア大佐。
ある少女を迎えたところから物語が不安定に揺れ動く。
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・サクサク誘拐しすぎ。
・ビグア大佐たまにすごいダサい、可愛い、おもろい。動揺の仕方が超エキセントリック。笑
・最後の解説に含まれてる詩が好き。
正しさも優しさも愛も
それ単独では存在できないのかな。
なんにせよ不思議な読み心地。
綺麗で幻想的な文章が大好きだった。
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▼作中のお気に入りの文章メモ▼
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考える速度よりも速く、猛スピードで車を走らせれば、
苦悩を置いてきぼりにできるかもしれない。
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子供の目だけが、海を見つめることが出来る。
海の泡はあまりにもはかないので、立派な紳士や成熟した女にじろじろ見られたら、さぞや苦痛だろう。
◾️
彼らは、海に向かってここに居るぞと叫んでいるのだ。
私はどこにでもある安物の水差しだが、海の真ん中でも、ロマンシュ断裂帯の上でも、ちゃんと存在している。存在している。存在しているんだあ。
そして、物たちは大佐に問いかける。
「で、おまえはどうだ」
◾️
海で溺れ死ぬことがあったら、海底で最初に思い出すのは、
きっとあの晩のことなんだろうな。
がらがらがっしゃんというあの響き。
ああ、でも海の底には音がないんだっけ。
まあ、そんなことはどうでもいい。
馬鹿げた現実なんて、どうでもいいんだ。
