Biko
@biko_250512
2026年3月12日
抱擁、あるいはライスには塩を 下
江國香織
読み終わった
すばらしい一冊。入院の際持ち込んだ一冊だが、痛みを忘れて一気に読んだ。
神谷町の古いお屋敷に暮らす風変わりな三代の家族の物語。家族に起こる出来事が、時代を行き来しながら、かわるがわる一人称で語られる構成が巧み。この家族の歴史がいく層にも重なって、一人一人のことを次第に深く理解し、いつのまにか愛おしくなってくる。
誰もがそれぞれの時代の荒波に揉まれ、何かを得ては失い、喜びと悲しみを抱えて生きる。家族に支えられ、時に距離を置きながらも、互いを深く思い合っていることがわかる。静かで深い家族の愛と絆を感じずにいられない。
終わり方も秀逸。自分自身の家族と重ね合わせながら何年かごとに読み返したい。



