
イイヤン
@h_d_d
2025年3月15日

婚活マエストロ
宮島未奈
読み終わった
「成瀬は天下を取りに行く」が面白かったので同じ作者の別作品も読んでみた。主人公が1983年生まれのWebライターで完全に俺だった。なんでこんな微妙な年代の人間を書いてるんだと思ったら作者も同い年。
ひょんなことから婚活パーティー会社のWebサイトに載せる文章を頼まれた男性が、記事を書くため実際に婚活パーティーに参加してその面白さを知ったり、運営側の努力を見て感銘を受けたり。読んでる自分も婚活やマッチングアプリのことはぜんぜん知らないので大人の社会見学という感じ。楽しくサクサク読めるけれど、成瀬という強キャラがいて読者を引き込む「成瀬シリーズ」ほど読んで夢中になる感じはないかも。
過去作でも思ったけど、固有名詞をぼかさずバンバン出してくるのは面白い。好きなマンガの話で「こち亀」を出したり、コンビニもローソンとセブンイレブンを分けて書いたり、ホームページのデザインが古いことを「阿部寛」って書いたり。こういうのを実名で書かず変なオリジナルの名前にもじったり、名前を出さないでいいよう回避したりする作品も多い中で、この作品ではリアリティラインの引き上げや登場人物への共感の面で、名前を出すことのメリットを大いに感じた。成瀬のときもM-1を出してきたり、この作家の個性なのかもしれない。


