ところてん "成瀬は天下を取りにいく" 2025年3月15日

成瀬は天下を取りにいく
この本の1番の良さは日常というのが1番美しいということに気付けるところにある。 閉店する店に毎日通い、テレビに映る。勢いでM1にでてみる。唐突に髪を切って周りを驚かせる。これは日常とはかけ離れた、それこそファンタジーの世界で起こるようなことなんて1つも起こらない。ただ、その中になにげなくある楽しさ、美しさ、そして今この瞬間を生きている儚さがある。そういったものは、世の中にありふれているが、意識してみないとすぐに自分から離れてなくなってしまう。そう言う意味でこの本は普通なようで特別な日常というのを真っ直ぐ書いていた。本屋大賞に選ばれるのも納得の作品だった。
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