にゃめたま "晩年" 2026年3月14日

にゃめたま
にゃめたま
@seiji_s
2026年3月14日
晩年
晩年
太宰治
太宰治の本って、現代人の、本を読み始めてからすぐの私のような人間が読んでも面白いと思わせるのがすごい ずいずいと読ませてくれる 物語の書き出しが上手いんだなと今更ながら気付いた 書き出しの文章を読んでいるうちに続きが気になって読み進めて、読み終わっちゃうみたいな、、、 そして、なんか共感できるものを書く物凄い人だと思う 全体的に面白かったけど、特に好きな話は葉、猿ヶ島、道化の華、猿面冠者、ロマネスク、玩具 好きな一節 "死のうと思っていた。ことしの正月、よそから着物を一反もらった。お年玉としてである。着物の布地は麻であった。島色のこまかい縄目が織りこめられていた。これは夏に着る着物であろう。夏まで生きていようと思った。" "「ほんとうに、言葉は短いほどよい。それだけで、信じさせることができるならば」" "「そうか。すると、君は嘘をついていたのだね」ぶち殺そうと思った。" "よそう。おのれをあざけるのはさもしいことである。それは、ひしがれた自尊心から来るようだ。現に僕にしても、ひとから言われたくないゆえ、まずまっさきにおのれのからだへ釘をうつ。これこそ卑怯だ。もっと素直にならなければいけない。ああ、謙譲に。" "重苦しくてならぬ現実を少しでも涼しくしようとして嘘をつくのだけれども、嘘は酒とおなじょうにだんだんと適量がふえて来る。次第次第に濃い嘘を吐いていって、切磋琢磨され、ようやく真実の光を放つ。これは私ひとりの場合に限ったことではないようだ。人間万事嘘は誠。ふとその言葉がいまはじめて皮膚にべっとりくっついて思い出され、苦笑した。ああ、これは滑稽の頂点である。" "ものの名前というものは、それがふさわしい名前であるなら、よし聞かずとも、ひとりで判って来るものだ。私は、私の皮膚から聞いた。ぼんやり物象を見つめていると、その物象の言葉が私の肌をくすぐる。たとえば、アザミ。わるい名前は、なんの反応もない。いくど聞いても、どうしても呑みこめなかった名前もある。たとえば、ヒト。"
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved