
Anna福
@reads--250309
2026年3月15日
一次元の挿し木
松下龍之介
読み終わった
ミステリーというより、DNAという「一本の線」を繋ぐために生命を情報の器と見なす科学の冷徹な傲慢さを描いたという印象。
昔読んだ『パラサイト・イヴ』やドーキンスの『利己的な遺伝子』を彷彿とさせる、個人の尊厳を飲み込むような生物学的ホラーの系譜か。
いくら薬が効いたとはいえ、終盤の紫陽が見せた超人的な挙動には強引さも感じたが、それは『レナードの朝』的な束の間の奇跡であり、目的を遂行しようとする遺伝子の利己的な強制発動だった、と思おう。
科学が倫理を踏み越える。
なかなか凄かった。



