はっしー
@hassy
2026年3月16日

黒い家 (角川ホラー文庫)
貴志祐介
読み終わった
保険制度を利用した犯罪という複雑な内容にもかかわらず、非常に読みやすく途中からは寝る間も惜しんで一気に読み終えた。
今から30年近く前の小説で、日本で「サイコパス」という言葉が認知され始めた頃である。しかし、この特性を持った人物の行動、心理描写が緻密に書かれており目を見張るものがあった。古臭さや違和感は全く感じない。
印象に残ったのは、研究職の金石という選民思想が強めの(犯罪者を情性欠如者にカテゴライズしようとする)人物と、それを真っ向から否定する大学職員の恵との議論である。
この犯罪者の心理を最初に読者に印象付けておき、後半に犯罪者に追われる主人公を書くことで、強い没入感を得れる流れである。よくあるケースたが、内容が面白く読み終わるまでその意図に気づかなかった。改めて読んで良かったと思える作品だった。