
noripiii
@quadspin_norimusubi
2026年3月16日
叫び
畠山丑雄
読み終わった
はたからみるとただのダメ男で、絶対に近づきたくないタイプの人間でも、小説になるととても近くで成り行きを見届けたい気持ちが起こる、そんな作品。
こんな男と観覧車で2人きりとか危なすぎるとか、興味本位であったとしても迂闊だとは思うけど、この小説のキーになっている(現存の)人物たちはみな破滅願望があるのかなと思うくらいには社会適合性がなくて、そういう世界もあるのかなと思わせるあたりは純文学だなって思う。
誰かの想いがその空間に残ってる感じはなんとなくわかる。それを叫びと言っていると理解していいのかな。
バイトでクビにもなるような人で、芥子を自宅のベランダで育てて、生活保護を受けている人を師匠と仰ぎ、幻想を信じて短刀持って万博会場に行ってしまうような人には、この世界はしんどすぎるよね。
たしかにラストは急に現実に引き戻してくるけど、これないとただ阿片のせいでヤバくなった人みたいに見える気もするし、それはこの本で描きたかったことではないはずだから、あれでいいのではないだろうか。
面白かったなあ、芥川賞はいろんな作家さんと出会わせてくれるよね。