
Anna福
@reads--250309
2026年3月17日

名前のないカフェ (新潮クレスト・ブックス)
ローベルト・ゼーターラー,
浅井晶子
読み終わった
作者がウィーン生まれということもあり、舞台となるウィーンのカフェの空気が印象に残る。
日本のカフェとも、文豪や文化人が集ったパリのカフェとも違い、ここに集うのはプロレスラーやロシア生まれの画家ミーシャ、建設作業員、向かいの精肉店店主など、市井の人々だ。
外国人労働者雇用により高級繊維工場を解雇されたミラもこのカフェで働き始める。
人々が来て、酒を飲みまた去っていく。
大きな事件は起きないがその断片の積み重ねから1960年代の街の気配や人の孤独や暮らしが浮かび上がる。
読み終える頃には、まるで自分もこのカフェに通っていたような、不思議な余韻が残る。








