胡花 "ありか" 2026年3月17日

胡花
@scyxmcy7423
2026年3月17日
ありか
ありか
瀬尾まいこ
5歳の娘ひかりを1人で育てるシングルマザーの美空と、2人をとりまく人々の心の交流やぶつかり合いを優しいタッチで綴っている。「夫婦」や「実の親子」という従来の社会において強固な絆とされていた関係よりも、「義姉と義弟」「姑と嫁」「友達」「同僚」といった関係にある者同士がそれぞれ助け合い、認め合える関係性を築いていくさまに「人っていいなぁ」という気持ちになれる。物語を通して一貫して「子供は未来そのもの」という根っこは揺らがないが、綺麗事だけではない子育てのしんどさや孤独もちゃんと描いており、母親として共感できる部分が多々あった。また、感謝とわだかまりと執着の入れ混じった実の親との関係の困難さもリアルだった。母親とのラストはどう落とし所をつけるのだろうと思いながら読み進めていたが、嘘くさくなく絶望的でもなく、これでちょうどいいのだと思った。読んでいる最中もほんのり心にひかりが灯るような温かさが心地よい本だった。
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