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胡花
@scyxmcy7423
  • 2026年4月1日
    禁忌の子
    禁忌の子
    ※ネタバレ含む※ 生殖ミステリーという分野は新しいし、医学的な専門知識はしっかり作品を下支えしていて勉強になったが、聴き終わった後の満足感はや低い。まず、キャラにあまり魅力がない。いい奴、設定らしい主人公のタケダも妙に頼りないし感情的だし、妻のエリカもなんともいえず中途半端で歯がゆい。キノサキに至っては容姿の美しさを執拗に描写されすぎて作者の自己陶酔を感じて辟易する。申し訳ないけど、登場人物の容姿を過剰に褒め称えるのはその人物がアイドルやモデルなど容姿を売りにしている場合のみにしてほしい。謎解きの最中にダークグレイの瞳やら白く長い指やら美貌やらの描写はいらん情報すぎて白ける。また、主人公夫婦の重い宿命もそんな簡単に受け入れられるか!?と違和感があるし、一番胸糞なシンヤの母が「十分に罰を受けている気がする」とかなんとかふんわりした「感覚」で許されているのが全く納得できない。この人(達)がしたことって殺人よりも酷いと思うんだけど。それから、少し聴いただけでタイトルから主人公夫婦の宿命がすぐ察せされてしまったのも興醒め。
  • 2026年3月17日
    ありか
    ありか
    5歳の娘ひかりを1人で育てるシングルマザーの美空と、2人をとりまく人々の心の交流やぶつかり合いを優しいタッチで綴っている。「夫婦」や「実の親子」という従来の社会において強固な絆とされていた関係よりも、「義姉と義弟」「姑と嫁」「友達」「同僚」といった関係にある者同士がそれぞれ助け合い、認め合える関係性を築いていくさまに「人っていいなぁ」という気持ちになれる。物語を通して一貫して「子供は未来そのもの」という根っこは揺らがないが、綺麗事だけではない子育てのしんどさや孤独もちゃんと描いており、母親として共感できる部分が多々あった。また、感謝とわだかまりと執着の入れ混じった実の親との関係の困難さもリアルだった。母親とのラストはどう落とし所をつけるのだろうと思いながら読み進めていたが、嘘くさくなく絶望的でもなく、これでちょうどいいのだと思った。読んでいる最中もほんのり心にひかりが灯るような温かさが心地よい本だった。
  • 2025年10月1日
    しゃぼん玉
    しゃぼん玉
    乃南アサ作品、2作目。聴き始めると止まらなくなり2日で聴き終えた。プロローグからラストまで、残酷なまでに明瞭な筆致で描き出される主人公の心情に惹きつけられ続ける、プロの手腕に唸らされる作品。物語は、荒み切った日々のリアルさに戦慄する導入部分から、田舎の無骨で温かな日常生活へと滑らかに移行していくものの、どこかに見えない緊張感を孕んだ描写がたまらなく上手く、いつ破綻へと転落していくのか分からない主人公の危うさにハラハラする。堕落し歪みきった、救いようのない若者であるというのに、なぜかこの主人公を憎みきれない。この主人公の再生が、自分自身の救いであるかのように、破綻しそうな場面が訪れるたびに汗をかいた拳をギュッと握りしめながら「駄目、駄目だ、頑張れ!」と叫びたくなる。ラストは涙を堪えられなかった。人は救われていい。どんな人も、救われていいのだと思える。ナレーションもまたプロの手腕だった。歯切れいい啖呵から朴訥とした方言まで実に魅力的だった。大満足の一作。
  • 2025年9月29日
    凍りのくじら
    凍りのくじら
    ※辛口※ 初めて辻村深月さんの作品を選んだが、まーしんどかった。最後まで聴き終わるのがここまで苦痛な作品はもしかしたら初めてかも。全体的に「冗長」。なんでそこを長々語る?と思わされる事が頻繁にあった。いつこの描写終わるんだろう、早くストーリーを進めて欲しいのに…と終始フラストレーションに苛まれた。全体の7割が主人公目線で語る他の登場人物像の描写で、しかもそれが全然興味が湧かない。例えるなら、何の料理を作ろうとしているのか分からない料理動画内で料理人がひとつひとつの材料を「これは◯◯で〜◯◯という栄養があって〜」と長々と説明しているのを見せられているだけ、の状態で、「いや、ほんで?これらを使って何を作ってくれるん?はよそれ言うてや」と内心終始ツッコミながらの視聴体験はなかなかしんどかった。美人で頭が良くて読書家ででもワルい遊びも知ってて…みたいな主人公のキャラも、作者が考えた「理想の文学少女」をただ見せられてるだけの印象で、息遣いのある人間像が全く伝わってこなかった。ほんで、まがりなりにも仕上がった料理は長々と材料を語り倒した割にはフツー、すんごいフツー。短編でもいけたやろ、これ。
  • 2025年4月5日
    ピエタ
    ピエタ
    芸能人の方の朗読は苦手意識があったのですが、見事にくつがえされました。小泉今日子さん、素晴らしかった。この小説の昔風の上品な言葉遣いを読み上げるのにまるで違和感のない情感豊かな朗読で、何度も胸がグッとなりました。小説そのものも素晴らしかった。ベネチアに生きた女性それぞれの人生の困難と喜び、それらが交錯して寄り添うさまを優しく温かく描き出しており、ラストの合奏は、まさに音楽のクライマックスで心を美しい旋律で満たされ陶酔するようなエモーショナルなラストだった。
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