
おさとうトマト
@fptoma
2026年3月17日
イン・ザ・メガチャーチ
朝井リョウ
読み終わった
暴走列車に乗車したと思ったら、いつの間にか振り落とされていたという読後感だった。人とのつながりや自己実現に飢えた人たちが、ファンダム経済(またはメガチャーチ)の中で何かにのめり込んでいく様子がノンストップで綴られていく。
ひとつの情報から拡大解釈をして感情を突き動かしていく人たちが信者になる。一方で、その情報発信源となる人はどんどん搾取されていくのだろうか。作中に登場したアイドルは心を病んでしまい、それすらも信者たちを突き動かすための物語にされた。同情する部分もあるけれど、ほぼ初対面のおじさんにメイクを勧め、一緒に買い物に行くことを提案できる距離感のバグりように違和感もある。そういった他者の心の拠り所となり得てしまう共感性が、他者からの依存度を高めてしまうのだろうか。
視野の広さ/狭さに言及する場面が何度も登場するが、そこには自分と他者の境界を曖昧にする怖さがあり、同時にほのぐらい多幸感がある。他者の物語に依存していく危うさをまざまざと見せつけられた気がする。






